Let's go to the end of the world ドンドン、とかなりの勢いでドアがノックされている。いや、もはや殴られている。 まひるは飛び上がって振動するドアを見つめた。心臓が体の中で暴れ回るみたいに脈を打つ。 気持ち悪くなりそうだ。 しばらく動かないでいたが、ドアを殴る音はやまない。 さすがに近所迷惑かもしれない、と思い壁に備えつけられているドアモニターをオンにした。 そして殴っている犯人を確認すると急いで鍵をあけた。 殴る音はパタリとやんで、代わりに男がひとり顔から棒のようになって倒れてくる。彼は俯せたまま呻いている。 「…………ハンバーグ…」 「ハンバーグ食べたいの?」 まひるの問い掛けに小さく頷いた。 彼女はテキパキとうごいて冷蔵庫にあったひき肉や野菜を皿に盛ると、電車レンジにつっこんだ。 いくつかのボタンを操り、スタート。 表示が「あと10分」となった。倒れたままの彼をまひるは引きずり、ソファーやベッドのある部屋に転がした。 「ヨウちゃん、ちゃんとご飯食べなよ。調理機だって備え付けなんだから」 「面倒臭いんだよ」 「機械があって便利でしょ?」 そういうとまひるの前に座った葉夜(ようや)は笑った。まるでこの世の中全体をバカにしているみたいだ。 葉夜にはたまにそういう面が見受けられる。そういう表情をするときの彼はとても魅力的だが同時に、ひやりとする。 「そもそもおかしいよ。人間だってやればできるのにそれさえもやらしてもらえないなんて」 まひるは何と返していいのかわからなくなり、黙って彼の横顔を見つめていた。 まひるが生まれたときには、もう世界は完全制御型の社会となっていた。 歴史の講座で幾度もその流れを学んだけれども、こうなるより遥か昔、 人間が誕生したころの話が好きであまり覚えていない。 人々の生活は常に政府の管理下にあり、職場も家庭も、例外は一つも認められない。 出生や死亡といった日々、いや何秒という単位で変化していくものでさえ、すべてが管理、制御されている。 料理だって、数限られた飲食店でしかすることはできない。 なんの不満もないし、安全だし、幸せだ。何を疑うことがあるだろう。 地殻変動のせいで大陸はほとんど一つになり、数え切れなかった言語も今や数種類になり、宗教戦争もなく、 それはむろん先達が編み出した制御の恩恵なのだ。 彼女は一般人より一層、この恩恵に感謝しなければならないと思っている。 今、特進高等学校に通っており、あと一回季節がめぐる間に完璧なカリキュラムを終えたら、 晴れて政府の要職に就くことになっている。 三歳の頃に受けた知能テストで、成績がよく、その時にもはや将来が約束されたようなものだった。 まひるは素直に今の世の中を愛している。けれども葉夜は違う。 いつも無造作ヘアなのかただの寝癖なのか、ぼさぼさした髪の毛をボリボリとかきむしっては、 一週間も二週間も部屋に閉じこもって何かをしている。 髪の毛と同じ漆黒の瞳で、まひるが見つめる先の裏を見つめているようだ。 「とにかく、さ」 葉夜は立ち上がり、ボリボリと頭をかいた。 「俺、またこういう状態になるかもしれないから頼むよ」 「今、やってる仕事って、何?」 出ていこうとする背中に問い掛けた。 しばらく考える風だったその背中はくるり半回転、代わってニヤリと笑う葉夜と目が合う。 漆黒の瞳は今までみたことがないほど輝いていた。 「いつもの、やつ」 自然と顔が歪む。 「また、そんなことして−」 「お前が黙ってりゃ済むことだよ。じゃ、またな」 ひらりと軽やかに手をふると、入って来たときとはかなりの違いで軽快に出ていった。 いつもの、やつ。 まひるは口の中で繰り返す。葉夜は手先が起用らしく、どうやら家庭用パソコンの制御を外す仕事をしているらしい。 信じられないことだが、この世の中には政府の行う制御を、干渉と解釈して忌み嫌う人々もいるらしいのだ。 そんな彼らは裏ルートで葉夜たちのような外れ者に改造を頼むのだという。 葉夜の部屋の中を入ったことはない。見せてさえくれない。女の子の部屋にはずかずか入り込んでくるくせに。 一度だけ、夜中に大きな物音がしたので隣に飛んでいくと、彼はほんの数センチだけドアをあけて、「転んだだけだよ」と言った。 隙間から見える部屋は真っ暗で、葉夜の髪の毛もその闇に同化していくみたいだ。 「暗すぎるんだよ」 そう言っても、いつもみたいには笑わず、小さな子をあやす親のように彼は微笑んだ。 「おやすみ」 それ以来、彼の部屋に行こうと思ったこともない。 おそらく同じ間取りだろうが、葉夜のことだから色々と改造していても怪しくはない。 ただ、危ない橋を渡ってほしくないだけだ。ため息が、もれた。 「まひる、お昼食べた?」 講堂でレポートを打っていると、目の前に同級生のイクマが座った。彼女もそそくさと赤いノートパソコンを開く。 「これから食べるの。イクマも?」 「うん、私は朝ご飯兼昼ご飯」 「え。じゃあまた減点じゃない!」 まひるの驚いた顔が面白かったのか、イクマはケラケラ笑った。 特進高等学校の生徒たちは健康な思考と身体状況を維持するために、食事の時間も決められている。 朝食は午前7時から午前9時の間、昼食は午前11時半から2時の間。 その規則を破るごとに、彼らの身分証明書から点数が引かれる。 点数が高ければ高いほど、政府の重要職につくことができる。 イクマはまひるが覚えているだけでも、三回は破っていた。 「あたしは別に偉くなりたいわけじゃないもの。まひるみたいに自然と優等生でもないし」 イクマは皮肉るわけでもなく、笑いながら言う。まひるは困った顔をしてみせたが、それでもやはり笑った。 二人で講義のことや、世間話をしているとまひるのノートパソコンにインスタントチャットが入った。イクマからだ。 不思議に思い向かい側の彼女を見つめるが、至って普通に昼食を食べてはキーを打っている。 ”口に出して話せない話をするから” 黒い画面に黄緑色の粗悪な文字が並んでいる。まひるは恐る恐る指を動かした。 ”どういうこと?” ”政府はこのままだとダメになる” はっとしてまたイクマを見つめるが、やはり彼女は普通だ。しかし画面には文字が並ぶ。 ”大丈夫、このチャットは私が作ったものだし、政府からの制御もかかってないからバレない。だからしばらく話を聞いて” 指が震えている。それでもなんとか二文字だけ打ち込んだ。 ”うん” イクマがふぅ、とため息をついたのが聞こえたが、まひるは画面にくいついた。 ”まひるは、この国の制御をするコンピュータを知ってる?” ”M-2?” ”そう。正確にはMother-2nd。なぜ2ndって言うと思う?” ”1stがあるから” ”正解。それが各国のMotherを束ねる。つまり総括的に1stが世界を牛耳ってるわけ” ”待って。確かに1stや2ndが管理制御しているからって、牛耳ってるなんていいかたおかしい。  コンピュータを動かしているのは人間よ。中央管理局には私の国の人間だっているわ” 現に、まひるの父親はM-1を管理する一人でもある。 ”政府は公表していないけれど” そこで一度、イクマからのメッセージがとまる。何かを躊躇しているようだ。 しばらくしてから緑の文字が淡々と連なる。 ”中央で管理していた研究者たちはみな原因不明で死んでいる…殺されている” 息が止まった。 ”うそよ。父もいるのよ?母からはそんな話−” ”政府は公表していないと言ったでしょう。まひるのお母さんもきっと口止めされているはずだから” 母親は政府の要職についている。 だが数日前、母からのメールでは、一人で暮らす娘を案じるものだったし、父の死を感じさせる言葉などひとつもなかった。 現に昨日だって、葉夜が来たあとには父からメールが届いたではないか。 母のメールと同様、娘を案じる内容だった。 ”誰に殺されたの?いつ?” ”一週間前、Mother-1stに” 息のつぎには手が止まってしまった。コンピュータが人を殺す?何のために? その疑問を受け取ったかのように、ずらずらと文字が浮んだ。 ”1stに意志があらわれはじめてる。理由はわからないけど、研究者たちが1stに殺されたと考えて間違いない。  次いで2ndも同じようなことをすると、考えられなくもない” ”意味が、わからないよ” ”1stは、世界を滅ぼすと、言っている。人間をみな、滅ぼすと。それに問題はそれだけじゃない” 大規模すぎて、ついていかれない。まひるは文字を追うことしかできない ”人はみな、この世界の仕組みにうんざりしてる。したいことができない、プライバシーがない。  自由がない。裏組織に「TB」というやつがいるんだけど” 大きく画面が揺らいだ。画面の端にはまひるのパソコンに侵入者がいることを知らせる警告が光る。 おそらくセキュリティシステムが、非合法であるこのチャットを感知したのだろう。 言うまでもなく、政府で認められた企業、その中でもごく一部の人間しかプログラミングは許されない。 もしこれを作ったことが露見したならイクマは逮捕されてしまう。それでも彼女からのメッセージは止まらない。 ”奴らはもうすぐ政府を転覆させる気でいる。そしてそれを機に1stと2ndも暴れるわ” かなりのノイズが混じって読みにくい。必死で目をこらす。 ”私は、人の手でこの世が滅んだり自分たちが滅ぶのは仕方ないと思う。  だけど、私たちが作り出した第三者によって滅ぼされるのは、矛盾しているけど、許したくはないの、だからまひる―” 画面が一気に暗転した。パソコンが緊急処理として電源を落としたのだ。 その時、校内アナウンスでイクマが呼ばれた。食事時間での減点のことのようだ。 「あ、呼び出しはいっちゃった」 茶目っ気たっぷりで舌をだしたイクマは立ち上がった。 まさかほんの数分前には、法に触れる行動を起こしていた人物とは思えないほど、彼女は平然としている。 だからまた、まひるは戸惑う。 「ちょっと行ってくるね。まひる、また次の講義で」 落ち着かないまひるをよそに、イクマは何かを書き付けた紙を彼女にわたし、去っていった。 それから一週間たつが、イクマの言っていた1stや2ndの暴走らしきニュースや裏組織TBなるものの動きについてのニュースも、 特にない。にわかには信じがたい。 念のために母にメールをしてみたが、未だ返事はこない。 まひるはもう一度、イクマの渡してきた紙を開いた。 走り書にも関わらず彼女の意志の強さが現れたような、濃くてはっきりした字だった。 「あなたの隣人が知ってる。あなたの心を信じて」 あれからイクマと顔を合わせることがあっても、向こうからその手の話をすることはなかった。 どうやらあのチャットの罪を問われていることもないようだった。 疑問は限りなくある。そもそもイクマの話に信憑性があるのかどうかだ。 手っ取り早いのは葉夜に尋ねてしまえばいいのだろうが、彼は部屋にこもったままである。 いつもならそろそろやってきてもいい頃だが。 突然、部屋が真っ暗になった。まひるは小さく叫んだ。非常灯もつかない。 停電など今まで経験したことがないから、動きもとれない。 次第に早くなる鼓動に追い打ちをかけるように、いきなり玄関のドアがあいた。 恐怖のあまり声がでない。風の動きで誰かが入ってきて、まひるの方に向かうのはわかるが、肝心の誰なのかがわからない。 自然と息を殺して、風を読む。意外にも落ち着いている自分にまひるは驚いていた。 段々と暗闇になれてくる。何かが頬に触れた。人の手だ。 「お前、意外と肝据わってんだな」 ほ、と息が漏れた。 「私も意外。でも、ヨウちゃん迷いなくこっち来たよね」 葉夜は隣に座ったようだ。シルエットが動くのがわかった。 「俺は夜目がきくんだ。ずっと暗い中でやってたし」 ふと思い出した。あなたの隣人が知ってる。 イクマの話。まさかこの停電も1stのたくらみ、もしくはTBたちの? 暗闇の中、総毛立つ。 しかし葉夜に何と言えばいいのか。 彼は思いがけずまひるを抱き寄せた。心臓が止まりそうだ。 だが葉夜には全く別の意図があったらしい。まひるの耳元でつぶやく。 「この停電が終わったら、きっと政府がくる。だけどお前は何も知らないふりをするんだ。できるな?」 「え―」 机の上にのったノートパソコンが起動しはじめた。二人ともびくりとして画面を見つめる。 「電源いれてたか?そんなわけ、ないよな?」 「うん」 暗闇の中、ぼんやりとしたパソコンの光りで二人の姿が形作られているようだった。 パソコンは誰かに動かされているようで、勝手にメールボックスを開いた。そこで動きがとまる。 「メール、きてる」 「自分で見ろってことだろ」 葉夜は誰か、が誰かわかっているようである。 送信者は、父。 まひるは恐々と未読メールを指でタッチした。 またたくまに画面は暗転し、イクマとしたチャットのようになった。 粗悪な文字が並ぶ。 父じゃない。 Mother-1st―? 寒くなる。 「ドコマデシッタ」 次の瞬間、部屋が白い光りで照らされるとともに轟音が響き渡る。何かのエンジン音のようだ。 葉夜は飛び上がるように立ち上がり、まひるを引っ張りながら窓際まで走る。窓をあけた。 外はどこまでも暗闇が広がっている。 まひるの思考を読み取ったのか、彼はにやりと、あのおなじみの笑みを浮かべた。 「世界中、停電だよ。なんてったってこの俺がしかけたんだからな」 外から聞こえる音と光がより大きく、より眩しくなった。何かが近づいたようだ。 「パーソナルナンバー01-23-55真木川(まきがわ)まひる、及びパーソナルナンバー不明、葉夜夜葉(ようやよるは)、  第三規定および第二五三規定を犯した罪により連行します。抵抗は認めません」 その声は部屋に反響し、部屋ごと揺らす。 まひるはがたがたと震える指で葉夜の袖をつかんだ。もはや葉夜の存在だけしか信じられない。いや、彼も何者なのかもわからない。 それでも、その微笑を信じよう。 「まひる、さっきのメールは本当に父親からじゃないんだな?」 「よよようちゃん、政府が、私たち捕まっちゃう、ヨウちゃん」 葉夜はまひるの肩をがっしりと掴んだ。動揺が一気に引いていく。 「あれ(・・)はお前の父親じゃ、ないんだな?」 頷いた。 葉夜も頷きかえし、窓から身を乗り出す。 「状況が変わった。お前も連れてく。行くぞ」 「行くってどこに!?」 轟音で妨げられたが、はっきりと聞こえた。 あの微笑とともに。 「世界」 目をさますと、赤い髪の毛に緑の瞳が飛び込んできた。 ひっ、と声をあげて飛び起きる。 真っ白なタイルが敷き詰められている、部屋だ。どこまでも続くような空間。 ぽつりぽつりと大型のパソコンや、ノートパソコンが無造作に置いてある。コードも延び放題。 まだぼんやりする頭で、状況を把握しようとはするが、どうにも無理そうだ。 「気づいた?」 正面に、またあの赤い髪の毛に緑の瞳。学校の資料室で見た、一世紀ほど前の人気俳優に似ている。 人種の違う人間だと、思った。 「君、まひるちゃんでしょ?ボクはゾーイ。ゾーイ・クラメンス。ボクは昔で言う”北欧”系の血を引いているんだ。  あ、髪の毛は染めてるんだけど。君は”ニホン”っていうところの血を多く引いてるんだろ?アスラと一緒」 「アスラ?」 「俺だよ」 背後から聞きなれた声がして、振り向いた。 葉夜と、イクマが一緒に立っている。 「え、ヨウちゃん、え、イクマ、も?」 葉夜は、にやりと笑った。そしてぼりぼりと頭をかく。 「悪いな、俺の本名は宇田市(うだし)アスラ。ネット上じゃは葉夜夜葉って名乗ってる」 「ごめんね、まひる。巻き込むつもりは、なかったんだけど」 するとゾーイがウィンクしながら二人の横に並んだ。 「うそだろ、イクマは最初からまひるちゃんを仲間に入れるつもりだったんだ」 「うーん、ま、なんともいえないけど」 二人は楽しげに話している。依然として、まひるは把握できない。 そっと葉夜―アスラが片ひざをついて、まひるの目線に合わせた。 「悪い。まさか1stの手がお前まで伸びるとは思ってなかったんだ」 ”ドコマデシッタ” ぞわり、とする。 「イクマが、有能な人材がいるからって言ってたけど、まさかまひるだとは思わなかったんだ」 「ヨウちゃん・・・まったく読めない、状況が」 話を終えたゾーイが、にこにこと近づいてきて、しゃがんだ。イクマも続く。 「たぶん、イクマから今の世界の状況は聞いていると思う。俺たちは、どうにか、コンピュータの暴走も人間の暴動も  防ぎたい。だからとにかく、同志を集める必要があったんだ。そこで、俺が今日の停電を起こした」 ヨウちゃんが? どうやらまひるの感情はすぐに顔に出るらしい。 ゾーイがアスラを指差した。 「アスラ、僕らの中で一番の天才なんだ。二番は僕」 「そんなこと、どうでもいいのよ」 イクマがゾーイの頭をたたく。 「とりあえず、俺たちが集まる間、コンピュータにも人間たち―つまり政府にも知られるわけにはいかない。  反乱分子なんてまず極刑の対象だからな。計画実行の前に死んでたら意味ねえだろ?」 「待って」 手を開いて、三人に向けてストップサインを出した。 頭がこんがらがってしまいそうだ。 「じゃ、ヨウちゃんたちは、つまり、コンピュータ側でも、TB側でもなくて、独自の立場から、世界を守るっていうこと?」 イクマとゾーイが手をたたいた。 「ほらね、すぐに飲み込んでくれるのよ。有能な人材でしょ?」 「ちなみにね、僕らの集まりはW2って呼ばれてる。ま、名前そのものが単純でNew worldって言うんだけど」 アスラが、二人の拍手を制した。 「ま、守るっていうか俺は好き勝手プログラム作らせてもらえる世界にしたいだけだけど。  そーいうわけで、自然、お前も巻き込まれる形になっちゃったわけだけど。  えさでつるわけじゃないけどさ、たぶん俺たちについてれば父親の消息もわかるだろうし」 そうだ。 あのメールは父じゃなかった。 あのメールは、Mother-1stだった。 私は、知らなければならないんだ。 まひるは力強く頷いた。 アスラが満足げににこりと笑った。 「じゃ、他の細かい説明はゾーイとイクマからうけてくれ。俺は仕事がたんまりたまってるし、な」 そういって彼は壁―まひるにはただの白い空間にしか見えなかったのだが壁があったらしい―を手をかざした。 白いタイルはぱちぱちと規則正しくうごき、長方形型の入り口が現れた。 そして彼はそこにはいって、姿を消した。 「じゃ、いこう」 イクマが手を差し伸べる。 「アスラったら、私がまひるに話したことを言ったらすごい怒ったの。なんでまひるなんだって。  二人って、いわゆるステディな関係なの?」 「アスラも隅におけないよねえ。こんな可愛い子、僕に紹介しないんて!」 二人は笑うが、まひるは真っ赤になって首を振った。 「さて、行こう」 「どこに?」 ゾーイはまひるの手を握ったまま恭しくお辞儀をした。 「僕らの仲間を紹介するよ。もうまひるも立派な仲間だものね!」 そして二人は飛び切りの笑顔を見せた。 「Let's go to the end of the world!」 END *** 昔書いた話を思い出しつつ書いてみました。 なんかもう細かいところが気になりだすとずーっと気になるもので… いつものごとく心で読んでください(殴
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