2008 October〜December 12/31 おはようこんにちは おはよう こんにちは そしてさようなら 私を傷つけたすべて 私を受け入れたすべて 私を作ったすべて 私を壊したすべて ありがとう ばいばい またあおう 12/28 おんなから きゅっと帯が閉まる瞬間にアタシからウチになる。 「小八居はん」 「はい」 静かに顔をあげる。 白粉を塗った顔は やつこから、小八居に変わる。 一瞬、万四郎はんを思い出したんやけど、栓ないことや。 12/23 星 星があるよ 遠くから 星がくるよ まるでとれそ 星があるよ *** つめたいそれら 命なんか宿ってない。 私の指だけがここで生きてる。指だけ。 温度はない。 だけど人に触れなくても、人に触れさせてくれる。 中毒。 12/22 あけない夜こない朝 自分の輪郭さえあやふやな暗闇、風が強い夜だ。 ごうごうと、ガラスにあたってくだける風が少しうらやましい。 このまま消えてしまえたらどれだけ楽だろう。 このまま諦めてしまえたらどれだけ楽だろう。 自分を縛りつけているものはきっと、自分以外の何ものでもないことはわかっているのに、 なぜ 12/20 つ つらいつらいつらいつらい いくら言葉吐き出しても ばかみたいに泣きたくて つらいつらいつらいつらい 12/19 歩く 先の先まで 歩くたび 私ノココロはしんしん冷える 12/17 散文 あたしは知っている 真っ暗闇の中から聞こえるあの音 命が生まれて消えていく さよならも ありがとうも 言えないまま、言わないまま 12/12 月 君がいなくても怖くないんだ 月が僕を照らしてる 太陽みたいな陽射しはなくても ただしずかな導きが 僕を優しく守ってる 君がいなくても怖くないんだ 12/11 さよならとこんにちは 私が死んで あなたが死んで そうしたらまた この場所で会えるかしら 12/8 小さな 「だって…」 そこまで言いかけて言葉を飲み込んだ。 私に求められてるものって? ユッカやアトムからの視線や意図が痛いほどに伝わってくる。 口を開いて出てきたのは驚くほど陳腐で馬鹿げた、嘘。 「…そうよ、私が文句を言ったの。こんなものを食べて損をした、って」 私の役割は決まった。 そういうことだった。 12/6 がんばれって がんばれ、 がんばれ、 そう言って 言われるたびに あたしの体が削れて行くのをあんたはしらない。 12/5 まるで嘘 まるで月 まるで星 まるで海 まるで雪 まるで朝 まるで夜 まるで風 まるでまるで 全部、嘘 12/4 月光少年 六速式の自転車に飛び乗った。 満月の、夜。 心臓やぶりの坂を下る。 ペダルをこいで 僕は冬の風と一緒になる。 もっともっともっと! 月がうそみたいに近い。 親の軽蔑 あの子の沈黙 僕のいらだち いつかの涙 全部全部全部 いらない! 消えろ! 両手離し。 僕は、無敵だ! 11/30 (no subject) 何度か触れてみたものの ああダメだろうと思って 私は静かに手を引いた。 だってダメだったのよ あなたにいくら近づいたって あなたがこちらに気付いてなきゃ 意味がないってこと 触れた肌から伝わるのは 温かい温度だとしても 触れた指から伝えるのは 何もないのだから 11/24 ぽろぽろ 泣いていたら、あの人がやってきて静かにあたしの頭を撫でた。触らないでとも言えないでじっとしてた。 あたしは自分以外が大嫌い。思い通りにならないもの全てが嫌い。 上から押し付けてくる親も 媚びてばかりいる友達も 恋愛をしたいというこの人も だのになぜ こんなにも淋しくなるのだろう。 この人の手はなぜ、こんなにもあたたかいのだろう。形は悪いくせに。 11/2 秋の光り もう、終わってしまうんだと思うと秋がきた以上に感傷的になっている自分がいる。 切なくて、やるせない。 せめてこの色づいた葉たちだけでもここにあってくれたらと。 そう思うそばから、風が秋色に染まった葉をさらっていく。 10/15 蜘蛛の糸 カンダタがつかんだ糸は切れてしまった。 人々の欲によって。 欲張ってはいけない、っていう教訓。 そんなことを思いながら隣で寝るイトを見た。 伊藤、だからイト。みんなそう呼ぶ。 彼は欲がない。かすかすだ。 ふらふらやってきて私を抱いて (私に抱かれて、が正しい) 好きに寝る。 欲がない。私の欲を吸収してく。 きっとイトがカンダタだったとしても、 糸をつかむことなんかしないんだろう。 10/2 秋 秋だ、とアキは言う。 私は聞こえないふりをして聞き返したけれど 彼は何も言ってはくれなかった。 カサカサと葉がすれる音や 少し冷たい風だとか アキの声は本当に秋みたいに なんでもなく通り過ぎていってしまいそうなのに だからこそ 優しい。